トンボ&とんぼ通信 2003年4月号
                                          

鈴身油流入その後
 油流入により被害が出ていた鈴身第一調整池ですが、3月末から4月初めにかけて、アシ原のアシを刈り取り、吸油用シートを設置する作業をしました。薄い膜になって池全体に広がっていた油は、徐々に調整池の入り口付近にあるアシ原に吹き寄せられ、アシにべったりついている状態でした。そこで、船橋市と協議してアシの刈り取り作業をすることになったものです。
 このアシ原には湧水が流れ込んでいて、ギンヤンマの産卵や、ホタルの生息が期待できそうなところです。この、生物にとっての貴重な水辺がダメにならないように、アシ原を約1800平方メートル刈り取り、吸油用シートを、外周80メートルと水路部分に、全部で約250枚設置しました。(吸油用のシートはすべて、NPOとんぼエコオフィスが負担しました。)
 アシを刈り取ってみると、その中に、50匹をこえるコイやヘラブナが死んでいました。中には、まだ息をしている、すっかり弱った魚も・・・
 残っている油を吸油用シートが全部吸い取ってくれればいいのですが、油分が多ければ、シートを取り替える必要が出てくるかもしれません。

報告会で成果を発表しました
 3月24日に「平成14年度千葉県NPO活動提案募集事業及びちばNPOフォーラム2002成果報告会」が開催され、関係者約100名が集まる中、OHPやパワーポインターを使った発表が行われました。
 NPOとんぼエコオフィスは「鈴身第一調整池の浄化と淡水漁養殖実験」の成果について、次のような報告をしました。
○実験時期が冬季だったため養殖実験の成果は確認できなかったが、水質データでは、溶存酸素量が
※飽和溶存酸素量を大きく超えた。溶存酸素量の増加から、水中では冬季でも、生物のダイナミックな営みが行われていることを知ることができた。今後に期待したい。
○油脂が不法投棄されて多くの魚や鳥が死に残念だった。
県からの事業委託はこの3月で終了します。船橋市の予算措置もありませんので、今後も浄化を継続するために、一般企業に助成金申請をしているところです。

水質浄化の指標となるものは?
 
※飽和溶存酸素量は水温5℃の時に12.3 / 、水温20℃の時に8.11 / で、水温が低いほど酸素が溶け込む量は多くなります。
 鈴身第一調整池では、1月に最低水温を記録した後、2月には水温が上昇に転じ、珪藻の大量発生がみられました。その珪藻(植物プランクトン)の光合成により酸素が増加し、これが溶存酸素量を高めたものと思われます。植物プランクトンが増えれば、動物プランクトンも増加し、目的とする淡水魚養殖用のエサが確保しやすくなります。これまで、河川や湖沼の水質浄化の成果確認
には、BODやCODを表す数字がよく使われていましたが、今後は、そこに生き物がすめるかどうかが、その指標になるだろうと思われます。

NPOとんぼエコオフィス総会、無事終了 
 3月22日(土)夜7時から、船橋市女性センターで第4回通常総会を開催しました。欠席された会員の方には、総会資料と定款を同封しましたのでご確認下さい。

ヤゴ救出作戦2003
 運動公園プールでは6月8日(日)に実施します。薬円台公園プールについては、工事の関係でまだ未定です。(実施日の決定は5月半ばになりそうです。)
 詳しくは次号でお知らせします。

トンボを育てる会の総会は、5月8日(木)です
 1994年、船橋市運動公園プールのヤゴ救出作戦からスタートしたトンボを育てる会。今年は第10回目のヤゴ救出作戦を実施します。また、市内小学校の環境学習や総合学習のお手伝いなども積極的に行っています。
 そんな活動をしているトンボを育てる会の、年に一度の総会を次のように開催します。ぜひお出かけ下さい。 
 ◆ 日時 5月8日(木)午後7時〜   
 ◇ 場所 船橋市習志野台公民館 第3集会室 

カラー版の号外を同封します
 2002年のトンボを育てる会とNPOとんぼエコオフィスの活動のようすをまとめた、カラー写真版を同封しましたので、ご覧下さい。
 ホームページではいつも、活動のようすをカラーの写真でごらんいただいていますが、この通信ではなかなかご紹介できません。そこで、昨年から年に一度、活動写真の中から代表的なものを抜粋し、カラーコピーして、皆さんにお届けすることにしたものです。写真撮影と編集は、理事の関信一郎さんです。