第3回  鳥類飛来調査 2003年2月21日(金)

気 象
 前日は1日小雨。当日は終日快晴、北風微風の好天。天候がめまぐるしく変化するこの頃。
 気温 朝(6時すぎ)で2度、昼で9度、夕刻はまた3度となり、冷気は強い。 


調査時間

 2月21日(金)午前6時20分〜午後5時30分 (日の出 午前6時22分  日没 午後5時26分)
 
概 要
冬の晴天だが、早朝から池の空気に油の臭い流れて異常。池に流入したらしい油が水面に帯状に広がって、30センチ前後のヘラブナ、50センチほどのコイが、多数死んで浮いている。背びれを寝かせ、弱って水面に漂う数十匹の大きなコイやフナ。 いるはずのカモの群れは皆無。まもなく、油マミレで死んだコガモ3体、カワセミ1体が上がり、油公害の被害が現実となる。朝、葦原から飛び出してくるはずのカイツブリの声も無く、カワセミの定期飛行も全く見られない。たまに降りてくるカワウやカモも、着水に躊躇し、飛び去ること度々。 当然、カモの群れの飛来は期待もされず、サギやバンの水鳥仲間も全く姿を見せなかった。わずかにいたコガモはいたって元気なく、下痢糞の跡も見られた。広い葦原の中でカイツブリ一家の全滅・・・・油に負けた鳥たちの死骸が予想される。その反面、湖面を気にする猛禽類の姿が度々見られるのは、弱ったエサのねらい目か。浄化実験中の湖水も心無い人間のために台無しで、環境維持の難しさを痛感するところ。この池に、また、カイツブリの声、姿がよみがえるのはいつのことかー!様々の野鳥の動きはとても活発で、緑多い貴重なこの地域。大自然のパワー、自然の浄化力の底力を信じて、よりよい環境維持に手助けするしかない!

観 察
 AM06:20 観察開始。 カワウ55個体、夜明けの上空をV字雁行し、北東へ通過してゆく。
 AM06:22 晴天無風の日の出。冬の赤い朝日が湖面をしだいに照らし出す。
          水面には鳥の影無く、波静か。 北護岸上にコガモ♀、2個体のみ休止中。
          キジバト1個体、湖面中空を通過、ハシブトガラス数羽が南森中で鳴き合う。
 AM06:24 カワウ64個体群、76個体群、V字を組み立てながら上空を北東へ飛翔。
 AM06:34 キジバト、カシラダカ1個体、湖面上を飛ぶ。
 AM06:36 ハシブトガラスの声、南の森で賑やか。 ムクドリ1個体、東の電線上。
 AM06:48 ツグミ1個体、北から来て護岸上で遊び、まもなく去る。
 AM06:50 ヒバリ、北の草地でよく囀る。 草むらのヒバリ3個体確認。
 AM07:00 ハクセキレイ1個体、湖面を飛び、西カルバート上に止まる。
          カワウ1個体、北東から南西へ去る。
 AM07:02 ツグミ、カワラヒワ、ジョウビタキ♀、目前の護岸上を飛びかう。
 AM07:10 アオジ2個体、北護岸を飛翔。 ヒヨドリ1個体、葦原上通過。
 AM07:14 休止していたコガモ2個体、護岸から南へ飛び去る。 ツグミ、湖面を西に。
         ホオジロ♂、北の公園から来て護岸草地でしばらく囀る。
 AM07:15 カワウ、36個体、22個体、9個体の各群、やや乱れた雁行で、日の出時のコース
         を戻るように北東から南西へ上空を過ぎてゆく。
 AM07:23 ハクセキレイ、キジバト2羽、飛ぶ。  ハシブトガラス10羽上空旋回。
 AM07:24 カワウ、11、50、18、8個体の4群、やや乱れた隊形で北東より来て、南西へ。
 AM07:25 カワウ、北東よりの11個体、南西からの9個体群、上空で交差しながら直進してゆく。
 AM07:29 カワセミ1個体、西護岸から葦原上を飛ぶ。
 AM07:30 セッカ1個体、湖面上を北から東へ飛ぶ
 AM07:32 カワウ25個体の1群、南西へ向かいつつ旋回してまた北東へ。    
 AM07:50 不明猛禽類1個体、南の森から湖上を北へ飛ぶ。
 AM07:55 カワウ約100個体の乱れた群れ、北東から南西へ通過する。
 AM08:11 ハクセキレイ、ホオジロ飛ぶ。
 AM08:13 北東よりカワウのやや乱れた群れ、各20、28、37個体群、迷走ぎみに南西へ。
 AM08:18 南西へ飛んでいたカワウの1群、大きく旋回して北東へ向かう。  
 AM08:19 カワウ1個体、池の上空を旋回しつつ高度を下げてくる。
         池の上を何度も旋回していたカワウ、ようやく着水。
         数度潜水して採餌、まもなく南西へ去る。

 AM08:20 カワウ約75個体群、北東からきて南西へ向かう。
 AM08:29 カワウ32個体、北東から雁行し、南西上空で旋回、また北東へと向いた。
 AM08:31 カワウ数個体、旋回しながら北東へ。
 AM08:40 カワウ1個体、湖上を大きく旋回しつつ下降、水上数メートルに近づくも結局飛び去る。
 AM08:49 ツグミ2個体、東からきて護岸上へ。 ハクセキレイ、ヒヨドリ飛ぶ。
          湖面に鳥なし、油漂い、油の臭い、コイ、ヘラブナ多数浮く被害あり。
          油まみれで死んだコガモ3個体、カワセミ1個体上がる。タヌキの水死体も。

 AM09:32  チョウゲンボウ1個体、北から来て南の木に止まり湖面を睨む。30分ほどそこに留まる。
 AM09:42  ハシブトガラス数羽、森の中で鳴き騒ぐ。
 AM10:30  西の葦原で、カシラダカ1羽、目前で囀ってゆく。シジュウカラ4羽飛び交う。
          エナガ1羽、葦に止まっている。 ジョウビタキの♂、1羽、鳴いて横切る。
 AM10:40 カワラヒワ2羽、カシラダカ2羽、ツグミ2羽、葦原近くの護岸を飛ぶ。
          市河川課より2名来て湖面にオイル吸着シートセットする。
 AM11:46 ハシボソガラス2個体、東の電線上で騒いで遊ぶ。
 AM11:57 ハクセキレイ1個体、護岸を飛ぶ。
 PM12:01 カワウ1個体、滑空してきて湖上を数度旋回、迷いながらも着水、潜水する。
 PM12:41 喉を膨らませたカワウ、イカダ上でキョロキョロしていたが大きく旋回しつつ南へ去る。
 PM12:45 トビ1個体、北中空を悠々と旋回している。
 PM13:10 北の森際をコゲラ1個体、セグロセキレイ2個体が飛翔する。
 PM13:12 モズ1個体、北の森から電柱へ。 スズメ5羽、南の森へ。
 PM13:15 コガモ1個体、南から来て着水、まもなくカルバート内へ飛び込む。
 PM13:16 またコガモ1個体、西から来て着水をためらい、そのままカルバート内へ。
 PM13:18 またコガモ♂1個体、南から来て着水に躊躇、結局北護岸上に着地、休止する。
         このコガモ、草むらで動かず、1時間ほどで南に飛び立つ。
 PM13:34 ハクセキレイ、湖上を北へ飛ぶ。
 PM14:02 カワラヒワ5個体、湖上を通過。 ハシブトガラス5個体、西上空で飛び騒ぐ。
 PM14:05 葦原でツグミ2個体、飛ぶ。
 PM14:10 モズ1個体、湖面を飛び、西の林に止まる。
 PM14:30 オオジュリン、葦原中で2個体確認。
 PM14:44 カシラダカ、南の森から葦原へ。
 PM14:45 葦原中にウグイスの地鳴きが盛ん。
         油害対策で、市環境部及び取材記者、来訪。湖面は油の臭い。

 PM15:15 キジ♂、1個体、南の森から湖上を通過、観察者の頭上近くを越えて北の林へ。
 PM15:22 キジバト2羽、北へ飛ぶ。
 PM16:05 カワウ1個体、北東へ通過。キジバト2、ハシブトガラス6飛ぶ。
 PM16:24 チョウゲンボウ1個体、北から来て、また南の森上に止まり、湖面を睨んでいる。
 PM16:30 コガモ♂1個体のみ、西から飛来、着水をやめて北護岸上に着地、動かない。
 PM16:33 ハクセキレイ2個体、カルバートの上。
 PM16:52 カシラダカ、西水面を飛び、北側護岸の草むらへ入る。そのすぐ後をモズが追った。
 PM17:00 ノスリ1個体、悠然と上空から旋回しつつ下降、森からハシブトガラスが追跡し、
         からむとノスリは上昇し、カラスに追われる様に遠ざかり、
         カラスが退却するとまた飛来し下降、
          カラスが現れて湖上で旋回しつつからむ光景を繰り返す。ノスリ、西方へ消える。
 PM17:10 コガモ1個体、飛来するが湖面を通過、北へ去る。
 PM17:12 カワウ3個体、池上空を北東へ通過。
 PM17:12 ムクドリ13個体、北へ飛ぶ。
 PM17:19 ヨシガモ♀1個体、西から飛来してゆっくり着水、黄昏てきた池中央で漂う。
 PM17:30 北風微風の冷気強い日暮れの湖上、
         中央付近にヨシガモ1個体と北護岸上でジッと動かないコガモ♂1個体のみ。 
         南の森のチョウゲンボウ、下界を睨んで静止状態。